【ももちゃんの部屋】「フェイクがリアル?!」 ~ガストンから考える、本物らしさと探究心~

2025年9月探究型バレエ レポート


ガストンから考える、本物らしさと探究心
今回の探究型学習は、『美女と野獣』のもう一人の主役とも言えるガストンをテーマに行いました。
物語のテーマは「真実の愛」。
では、そもそも「真実」や「リアル」とは何なのでしょうか。
舞台の世界には、本物もあれば作り物もあります。
しかし不思議なことに、私たちは作り物だと分かっていても感動し、涙を流します。
今回は「フェイクとリアル」をキーワードに、舞台芸術の面白さと探究する力について考えました。
記憶は思ったより曖昧で面白い
探究のはじまりは「記憶」のワーク。
60秒間、一枚の紙を観察し、その後どの紙だったかを当てるゲームに挑戦しました。
子どもたちは色や形、質感を手掛かりに思い出そうとします。
すると、
「色は覚えていたけど形が違った」
「触った感覚は覚えていた」
など、記憶の残り方が人によって違うことが分かりました。
私たちは見たものをそのまま覚えているようで、実は自分なりに解釈して記憶しているのです。
ガストンに足りなかったもの
村一番の人気者で、自信にあふれたガストン。
それなのに、なぜベルの心をつかむことができなかったのでしょうか。
子どもたちはベルとガストン、それぞれの立場になって考えました。
そこで見えてきたのは、
ガストンはベルを理解しようとしていなかったのではないか
という視点です。
探究とは、自分の考えを持ちながらも相手を知ろうとすること。
ベルが惹かれたのは野獣の強さではなく、変化しようとする姿勢だったのかもしれません。
舞台は「リアル」と「フェイク」でできている
舞台の世界にはたくさんの「うそ」があります。
王子役を演じる人が本物の王子である必要はありません。
お城も本物ではありません。
メイクや衣裳も、現実とは少し違う世界を作り出しています。
けれど、その「うそ」があるからこそ、観客は物語の世界へ入り込むことができます。
一方で、役の感情や人間関係は本物のように感じられなければなりません。
舞台は、
フェイクで世界を作り、リアルで心を動かす芸術
なのです。
探究とは「比べてみること」
今回は紙の種類を変えながら、
折る
塗る
破る
水につける
などの実験も行いました。
すると紙によって得意なこと、苦手なことが違うことが見えてきます。
どれが正解ではなく、
「何に向いているのか」
を知ることが大切です。
これは人も同じ。
バレエ作品の中には様々な役があり、それぞれに必要な個性があります。
探究とは優劣を決めることではなく、違いを発見することなのかもしれません。
本物を見抜く力を育てる
AIやSNSによって、私たちはたくさんの情報や画像に囲まれて生活しています。
だからこそ、
「これは本当にそうなのだろうか?」
と考える力がますます大切になっています。
SHOW BALLET JAPANの探究型学習では、正解を覚えることよりも、
観察すること。
比べること。
疑問を持つこと。
を大切にしています。
今回の探究を通して子どもたちは、
本物と偽物を見分ける力だけではなく、自分自身で考える力こそが“リアルな学び”であること
を感じてくれたように思います。
そしてガストンに足りなかった「探究心」は、これからの時代を生きる私たちにとって、とても大切な力なのかもしれません。
